[1106]2021年サンマ漁業のロシア水域における操業上の注意について

2021年8月26日

■操業期間は9月1日~10月31日、VMSは発信義務付け

 今年も、サンマ漁業の出漁の時期を迎えました。漁業者の皆様におかれましては、今年もロシア水域での操業を予定されていることと思います。2021年のロシア連邦200海里水域における棒受網漁業の漁獲割当量は、サンマは7万1077.4トン(前年同)、スルメイカ716トン(前年同)、サバ1666トン(前年同)、マイワシ2373.9トン(前年同)と決定されました。

 海区は「Ⅱ-1区」と「Ⅱ-2区」で漁獲割当量も海区毎に配分されました。(上記の漁獲割当量は、Ⅱ-1区とⅡ-2区の合計です)。今年のロシア水域内操業期間は例年と異なり、9月1日から10月31日(11月1日早朝)まで(漁況をみて延長可能であれば、さらに操業を延長する)とし、ロシア水域への入域は、9月1日0時以降にロシア200海里境界線を通過して入域することとしております。

 具体的な注意事項について申し上げます。一つ目に、これまではロシア側から派遣された国境警備艇(取締船)により行われていた臨検が、2021年は日本側が用船した監督官船3隻により行われます。監督官船は、基本的にチェックポイント東-6、東-15(昨年までは東-13と呼称)に滞在しますが、場合によっては3隻目が漁場に行くこともあり、その配置はサハリン国境警備局が決定します。

 何らかの事情で、チェックポイントに監督官船がいない場合は、そのチェックポイントは通過することができません。また、両方のチェックポイントに監督官船がいない場合は、原則、日本漁船はロシア水域の入出域が出来ませんので、監督官船の動向には注意して下さい。

 二つ目に、ロシア水域で操業する場合の入出域通報の変更手続きが厳格化されました。通報内容の変更は「チェックポイント」または「通過予定時刻」のみで、当初通報した予定通過時刻の4時間前までに取り消し、かつ新たな通過予定時刻の8時間前までに通報する必要があります。

 それ以外の事項の変更は、チェックポイントの監督官船に無線で報告することとなりました。チェックポイント通過予定時刻は通報と一致する必要がありますが、チェックポイントへの到達が予定時刻よりも早くなった場合はチェックポイント周辺で待機し、また遅れる場合はチェックポイントで監督官船に無線連絡することとなりますが、この場合、監督官が日本漁船の到着が遅れた客観的な理由の有無とその正当性を個別に審議することになりますので、予定時刻に遅れることが無いようにして下さい。

 また、日本漁船から送信された入出域通報は、サハリン国境警備局に届いたことを確認する必要があります。通報メールに対する自動返信メールが送られてくるので、入出域システムで自動返信メールの受信を確認して下さい。もし、通報後30分経っても自動返信メールが送られてこない場合は、陸上通訳を通じてサハリン国境警備局に電話し、通報が届いているかを確認して下さい。届いていることを確認できた場合はチェックポイントに向かい、届いていない場合は出し直す必要があります。(8時間が確保されている場合は前の通報を、されていない場合は新たな通報を出す)。

 ロシア側からの違反指摘に関して、2020年漁期においてはロシア側が主張する200海里ラインがGPSプロッターに入力されていなかったことにより、境界線を越えてしまい違反指摘を受けた船が多数ありました。全さんまの作成した「さんま漁業操業のしるべ」の41ページのポイントをGPSプロッターに入力して、200海里ラインを越えないように注意して下さい。船舶位置情報(VMS)は、ロシア操業時のみならず公海操業時にはNPFCからも発信が義務付けられています。

 ロシア操業時の欠落への対処として、位置報告控えを2時間毎に記録していただいております。また、VMSの位置情報はNPFC加盟国で共有されますので、ロシア水域、公海、日本水域のいずれで操業するかによらず、操業水域については厳に順守して下さい。漁期中に公海操業をする場合、NPFC条約水域(公海)で加盟国の取締船による検査があるかもしれません。

 取締船から検査の要請があった場合は、拒否せず、検査を受け入れてください。また、公海で操業するサンマ漁船は、コールサインの船体表示(コールサインを取得していない船は漁船登録番号の前に「JP-」を付けて表示)が義務付けられています。「しるべ」の153~164ページを参考に、乗船検査および船体表示への対応をお願いします。

 最後になりますが、皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。

(全国さんま棒受網漁業協同組合)