[1035]2017年サンマ漁船のロシア水域における操業上の注意について

2017年7月21日

 今年も、サンマ漁業の出漁の時期を迎えました。漁業者の皆様におかれましては、本年もロシア水域での操業を予定されていることと思います。

 今年のロシア連邦200海里水域における漁獲割当量等は、昨年12月の第33回日ロ漁業委員会における交渉の結果、全体の漁獲割当量は6万6198.1トン(前年対比1697.5トン増)、サンマは5万3370トン(前年同)、と決定されました。

 サンマの許可隻数枠は、前年と同様313隻です。トン数階層別では、30トン未満が185隻、30トンから50トンが25隻、50トンから100トンが15隻、100トンから350トンが88隻になっています。

 具体的な注意事項について申し上げます。皆様もご苦労されたと思いますが、ロシア水域操業においてロシア側の取締体制の厳しさが増しております。昨年は特に混獲魚について厳しい取り締まりが行われました。

 今年は、マイワシの新規の枠、その他の混獲魚の割当の増加が委員会で認められておりますが、操業日誌などの書類の記入について、細部に関しても十分注意を払ってください。これまでのように子細なことに関しても注意ではなく、直ぐに違反となってしまいますので、貴船の漁獲割当量を順守して頂くようにお願いいたします。

 皆様の努力により、SSD・入出域通報(公海への無害航行を含む。)の送信については、スムーズな運用が行われるようになりましたが、より細心の注意をはらい、全さんまの作成した「さんま漁業操業のしるべ」の付属書を熟読していただき、適正に入力、送信してください。

 SSDは印刷し、船長のサイン及び判を押印し、従来通り保管してください。入出域に関しても印刷し、送信控えとして保管してください。入出域の臨検は今年も混雑が予想されます。

 入域船はチェックポイントの西側に、出域船はチェックポイントの東側に並んで、臨検を受けてください。チェックポイントでの監視船へのVHF16chの呼び出しは、ルールに則り、きちんと呼び出してください。また、操業水域での監視船からの停船の呼び出しに注意を払い、監視船の指示に従って下さい。

 操業日誌はロシア水域操業が終了しても3年間の船内保管をお願い致します。また、以下の2点について注意をお願いします。

 1.船舶位置情報(VMS)の機器がインマルサットCに変更になりました。

 新規機械のため、これまでのアルゴスとの使い勝手が違うかもしれませんので、こまめに作動状況のチェックをお願いいたします。VMSの欠落の対処として、例年通り位置報告控えを忘れずに記録してください。

 2.デジタル式の秤(検定付)を積むことが義務付けとなりました。
 洋上での波浪の状況によっては、これまでのアナログ式を使用することも考えられますので、アナログ式(検定付)も積むことを忘れないようにお願いいたします。
 最後になりますが、皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。

(全国さんま棒受網漁業協同組合)