緑色LED養殖へ導入、大分県がヒラメ中間漁で成果

2017年9月13日

緑色LED光を浴びて養殖水槽内を泳ぎ続けるヒラメ

 緑色LED光の照射でヒラメ中間魚の成長促進効果を検証する実験が、大分県で8月まで行われ、体重が約2割増加した成果をまとめた。大分県農林水産研究指導センターなどは遊泳・摂餌と好成長の因果関係を探るとともに、養殖現場への普及手法を探っている。

 今回は体重21グラムの中間魚を用い、民間ヒラメ養殖場の陸上水槽で実験。照明器具メーカーのスタンレー電気社製緑色LED灯(波長518ナノメートル)を一日12時間照射した区と、自然光のみの対照区で飼育、比較した。普段は水底に潜み、あまり動かないヒラメが、LED区は光を当てた直後から動き出し、水槽内を泳ぎ続ける特異な行動をみせた。大きな魚体では動きがさらに際立つ。餌食いもよく、対照区に比べ1・17倍だった。「比較すると、この2点が明らかに違った」という。

 実験開始から77日後の測定で、平均魚体重は1・24倍だった。同センターは「食べた餌が運動により高い割合で消化・吸収されたためでは」とみおり、「より養殖業者が導入しやすい条件を導き出したい」と意欲を示す。同実験は県のヒラメ陸上養殖生産振興事業で行われた。[....]