日NZ水産新たな夜明け?シーロード社/マオリが出資

2019年7月1日

シーロード社のホキの加工。多国籍の従業員が楽しそうに働く

 南島の北部ネルソンに本拠地があるシーロード社はニュージーランド(NZ)第2位の大手水産会社。マオリ所有で最大手モアナ・ニュージーランド(ワイタンギ条約に基づいて1992年の漁業交渉決着後に設立されたアオテアロア・フィッシャリーズ社が管理)が50%、日本水産が50%出資している。

 創業は61年だが、マオリにとって漁業の始まりは、南島のカヌーに乗って北島という魚を「釣り上げた」伝説の先祖マウイの国づくりから始まる。シーロードという社名(マオリ語の「タンガロア〈海の神〉」に由来)が示す通り、先祖マウイの残した美しい自然と豊かな海の幸を次世代に残す責任を負っているという。売上高は340億円(2018年度)で純利益18億円。従業員は約1300人で、ホキを筆頭に約12万トンの譲渡可能個別割当(ITQ)を保有し、魚種別ではホキが約36%、次いでイカ20%を所有している。製品の8割は輸出されている。[....]