中国が関税引き下げ平均6・9%に、輸入拡大へかじ

2018年10月5日

 輸入関税を6・9%に引き下げたことが分かった。日本貿易振興機構(ジェトロ)石毛博行理事長が3日の会見で、中国の輸入拡大策について説明する中で明らかにした。7月1日から施行している。
 ジェトロによると、中国人による海外での「消費流出」を受け、中国は国内での消費を促し生活の質を上げる目的に「主体的な輸入拡大」にかじを切っている。昨年11月には消費財187品目の関税を引き下げており、「爆買い」の対象品目として挙がっていた粉ミルクは20%から0%へなど、引き下げた。5月の国務院常務会議で水産品を含む広範囲の日用品の輸入関税率引き下げを決定した。
 水産物関連では、2017年の日本の対中輸出量・額で最多となった冷凍ホタテの場合、10%から7%へ引き下げられた。冷凍のタラなども同じく10%から7%へ、加工品も多くの品目で12%から5%へ引き下げられている。
 関税引き下げから3か月で、輸出元水産会社の実感はまだ乏しいが、冷凍ホタテを輸出する北海道の加工業者は「中国はホタテが不足しているようでもともと引き合いが強いが、関税引き下げにより今後さらに需要が高まる可能性がある」と話している。[....]