20年度の水産物流通、市場経由率5年連続低下

2024年3月13日

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水産物の卸売市場経由率の推移(重量ベース、推計)

 農林水産省は8日、最新版の2022年度「卸売市場データ集」を公表した。それによると今回新たに発表された、新型コロナウイルスの影響を初めて通年で受けることになった20年度の水産物の卸売市場経由率の推計値は45・7%で、前年から0・8ポイント低下した。前年割れは5年連続。ただ、改正卸売市場法施行年で、認定を見送った地方卸売市場がまとまって離脱した影響があり、中央卸売市場のシェアに限れば16年ぶりに上昇している。

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 20年度の水産物の総流通量は、509万2000トン(前年度比93・8%)と大幅に減少した。特に輸入水産物の減少が響く形となった。そうした中、中央卸売市場は取扱数量が176万3000トン(96・1%)と減少したものの、総流通量に占めるシェアでは0・8ポイント上昇の34・6%となった。中央卸売市場のシェアが上昇したのは04年度(0・5ポイント上昇の55・2%)以来。中央卸売市場からの離脱がなかったことに加え、市場経由率の高い国産水産物の比重が増加したことが影響したと推測される。[....]