<豊洲市場の広報戦略>“本物”の力伝える、SNSに非公認キャラ

2023年3月27日

「豊洲の『いちばにゃん』」LINEスタンプ第1弾2種類のうち「市場で働く編」。第2弾も検討中

 10月8日で開場5周年を迎える東京・豊洲市場。1500以上の場内事業者が所属している場内で最大の業界団体・豊洲市場協会(伊藤裕康会長)は、開場1周年時に立ち上げた「豊洲市場の広報戦略」プロジェクトにより、魚食に絡めた多岐にわたる情報発信を年々強化し、市場活性化を後押ししている。公式ホームページ「ザ・豊洲市場」は昨年リニューアルし、多い日で2万ページビューを記録。このほか、交流サイト(SNS)や案内標識モニターの運用、非公認キャラクターの作成、グッズ販売と幅を広げてきた。開始から3年半の歩みを振り返る。

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 豊洲市場協会が運用しているSNSの公式アカウントは、インスタグラムの「toyosu_shijou」とツイッターの「@toyosu_shijou」の2つだ。それぞれ1万5000人と5000人台のフォロワーがいる。発信は開市日に毎日行っている。

 担当者が当日(もしくは前日)に売場を歩いて撮影した写真や動画を使い、仲卸業者に聞いた話などを織り込みながら、その日入荷した食材を紹介している。3年半で投稿数は1200件に近づいた。

 水産は大衆魚だけでなく、時に珍品も取り上げる。3年半、毎日紹介していながらネタかぶりが少なく、市場の食材がいかに多種多様かを証明している。タグは「#豊洲市場」「#魚介類」といった日本語だけでなく、魚種の英名のほか「#toyosumarket」「#seafood」「#Japanesefood」などを必ず付して海外向けに発信。海外のフォロワーも増えている。

 「飲食店や小売店の皆さまがリツイートなどして仕入れた魚のPRに使うなど、集客に活用してもらえたら」と話す協会広報担当者は「市場仕入れの醍醐(だいご)味は売場を訪れての〝ついで買い〟。その魅力の一端を伝え、足を運ぶきっかけに」と思いを託す。[....]