<秋冬ねり製品特集>止まらない原料高、販売堅調も利益出ず

2022年9月16日

秋冬ねり商戦が始まった

 秋冬ねり製品商戦が始まり、徐々に秋冬商品が並び始めている。昨年は巣ごもり需要を追い風に家庭用のねり製品の販売が好調に推移した。今年は徐々に通常の生活に戻りつつあり、家庭用ねり製品の販売の動きは未知数だ。また原料のスリ身や副原料が値上がりするなど生産面は一段と厳しさを増している。特集では原料事情などねり製品業界が直面する現状について聞いた下村全宏日本かまぼこ協会会長のインタビューや原料動向、今年の販売動向、各社の主力商品などを紹介する。

       ◇       ◇       ◇

 水産経済新聞社は8月から9月にかけて量販店・スーパーに秋冬製品の値上げなどについてのアンケート調査を実施した。3社から回答が寄せられ、秋冬ねり製品の販売価格については全社「値上げする」(一部プライベートブランドを除く)と回答した。棚替え時期については、ほぼ例年通りとなる見込みだった。また売れているねり製品を尋ねたところ、全社「カニ風味カマボコ」と「チクワ」が挙がり、手軽に生食できるこの2品が根強い支持を集めた。

 ねり製品の売場スペースに関する質問では「売り上げが悪くないので変えない」との回答が多く、「鍋材料の値上げによる代替えとして拡販する」としてスペース拡大を図る企業もあった。

 家庭用の販売は堅調な一方で、スリ身をはじめとする原材料の価格は上がり続け、利益確保が難しくなっているねり製品市場。厳しい商戦が続いている。[....]