魚粉の2割安でタンパク供給、ミールワーム育成装置を開発へ

2023年3月3日

 長崎大学と同大学発のベンチャー(株)Booonは、水産養殖飼料のミールワームを環境への負荷が少なく、低コストで生産可能な自律分散型育成装置「Worm Pod」の研究を開始したとこのほど発表した。水産養殖に欠かせない魚粉はペルーをはじめとした輸入原料に依存しており、国際的に養殖業が隆盛の中、高値傾向が続いている。同社では「魚粉と比べて2割近い安値」でのミールワームの提供を目指しており、廉価で国内調達できるようにすることで水産物養殖を後押しする。

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 同社によると、魚粉価格はトン当たり25万円程度だが、「Worm Pod」は20万円程度の提供を目指すという。ミールワームは雑食性のため、食品事業者が有料で処分している食品加工残渣(さ)を与えて育成する計画で、飼料の調達だけで売り上げを立てられる。育成槽の建設費用は、6・6平方メートル(2坪)程度のサイズなら約80万円で、年間49トンの生産が可能。[....]