青団連、魚のストレスを学ぶ勉強会開催

2022年12月2日

勉強会で魚のストレスについて講演する長阪准教授

 東京魚市場青年団体連合会(青団連、本宮典幸会長)はこのほど、市場関係者を対象に、養殖魚のストレスについて学ぶ勉強会を開催した。講師を務めた東京海洋大学の長阪玲子准教授が、「魚もストレスを感じ、味や身質を悪化させる」と解説。ストレス軽減に効果があるオリザノールについて説明し、魚の生態に関する知見を深めた。

 長阪准教授によると、養殖魚においては酸素濃度の低さが最もストレスを及ぼすという。魚の好みや成長段階に合わない餌を与え続けることもストレスにつながる。その影響は筋肉の軟化や成長速度の低下などに表れる。

 このような状況を緩和させる方法として、米ぬかなどに含まれるオリザノールが効果的で、餌に混ぜて与えることで魚肉の軟化を防ぎ、成長速度が早くなることが明らかになっている。

 長阪准教授は飼料価格が高騰する中、安価でボリュームのある「代替タンパク質に注目が集まっている」とする一方、オリザノールの知名度が低いことから、「養殖魚の付加価値向上につなげにくい」と指摘する。[....]