道漁連、ホタテ貝殻使用の医療用容器を開発

2023年4月4日

恵佑会札幌病院の髙橋部長㊨に目録を手渡す安田専務(手前㊧がホタテ貝殻を使用したメディカルペール)

 【札幌】北海道漁連は脱・抑プラスチック活動の一環として、ホタテ貝殻を使用した医療用容器メディカルペールを凸版印刷(株)と共同開発し、3月30日、札幌市の恵佑会札幌病院に寄贈した。

 この容器はリサイクルプラスチックにホタテ貝殻の粉末を10%程度配合して製作された。一般的な容器と比べ、プラスチックの使用量を1割削減することができ、強度も増すという。今後はホタテ貝殻粉末の使用割合をさらに増やすことも検討していく。

 贈呈式では道漁連の安田昌樹専務が同病院の髙橋宏彰事務部長兼企画室長に、一個20リットルサイズのメディカルペール1000個分の目録を手渡した。

 メディカルペールは廃棄物を回収後、焼却処分されるが、同病院では20リットルサイズを月間300個程度、50リットルサイズを月間600個程度使用するという。今回、道漁連から寄贈された20リットルサイズは約3か月分に相当し、31日から使用済み注射針の回収容器として使用されている。

 医療用容器へのバイオマス素材の活用は業界初の取り組みとなり、道漁連としては「バイオマス素材としてのホタテの貝殻利用促進はもちろん、環境問題解決の一助になれば」と考え、より環境に配慮した容器を病院に寄贈することにした。今後、ほかの病院への寄贈も検討していく。

 道漁連では近年、エコ資材の導入や廃網リサイクルの推進、海浜清掃活動など環境に配慮した取り組みを活発化しているが、安田専務は「こうした取り組みの裾野が広がり、海洋プラスチック問題などに対する社会全体の意識醸成につながれば」と期待。同病院の髙橋部長も「今回の寄贈を機に病院としても脱プラなどエコ的な取り組みに力を入れていかなければならない」と述べた。[....]