豊洲で三陸・常磐産を一般販売

2023年6月1日

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三陸・常磐物の販売店「夢市」と展示ブース「楽座」のイメージ図(東卸提供)

 東京・豊洲市場の仲卸約460業者で構成する東京魚市場卸協同組合(東卸、早山豊理事長)は、岩手と宮城、福島の3県産を対象とした鮮魚や水産加工品の一般向け販売を始める。東日本大震災の被災地支援が眼目で、「三陸・常磐物」の販売店を7月に開設し、消費拡大を図る。

 3県から豊洲卸に入荷した旬の魚や加工品などを各仲卸が買い付け、一般客に販売する。鮮魚は切身や刺身用サクなどで提供する。豊洲では卸売場や仲卸売場に一般客は入れないため、販売店は一般客が利用可能なエリアで、調理道具店や卵焼き店などが並ぶ「魚がし横丁」の空き店舗を活用し、来年2月まで設置する。

 7月中旬のオープン以降、当面は土曜を中心に毎月2回程度開店する予定。「三陸常磐 夢市楽座」の名称で、販売店「夢市」とともに、3県の水産物の魅力をPRする展示ブース「楽座」も設ける。

 ヒラメやカレイなどをはじめとする三陸・常磐物は「もともと品質のよい魚が多く、築地市場時代から培われたブランドの一つ」と豊洲市場のベテラン仲卸は話す。3県のうち特に水揚げの低迷が続く福島県産は、福島第一原発事故に伴う風評が根強く残るうえ、今夏ごろまでに原発処理水の海洋放出が予定されている。

 早山理事長は「仲卸の目利きに実体のない風評は介入させない。豊洲で三陸・常磐物のよさをアピールすることで、産地の水揚げ回復や風評被害の解消にもつながれば」と話している。[....]