第6回サステーブル、未利用魚の魚醤を開発

2022年11月4日

未利用魚のニギスを使用した料理

 「大丸有SDGs ACT5実行委員会」は10月27日、東京・千代田区のMY Shokudo Hall&Kitchenで、サステイナブルフードの普及を目指すセミナー「サステーブル2022?未来を変えるひとくち」の第6回を開催した。セミナーには兵庫・JF但馬漁協の丸山和彦参与が登壇し、未利用魚を活用した魚醤の開発や産学連携の取り組みなどについて解説した。

 丸山参与は、同漁協が(1)漁業従事者の高齢化や後継者不足(2)外国の違法操業による資源の減少(3)漁船の高船齢化(4)漁獲量の減少(5)未利用・低利用などの、獲れても値段が付かない魚の活用?などの課題を抱えていることを説明。その中でも今回のセミナーでは(5)の未利用・低利用魚の活用にスポットを当てて事例を紹介した。

 同漁協では、未利用のハタハタ、ゲンゲ、ノドグロ、カニ、エビ、タコ、ホタルイカを使用した計7種の魚醤を販売中で、さらに魚醤を味付けに使用した味付けノリ、干物などの商品開発も行っている。産学連携の取り組みとして、兵庫県立香住高校海洋科学科シーフードコースの生徒たちと炊き込みご飯用缶詰の開発も実施したという。

 丸山参与は「未利用魚は安価なイメージが強いが、手を加えることで付加価値を付けて活用できる」とし「今後も引き続き、定置網漁で獲れるほかの魚種などについて調査を行い商品化を進めていきたい」と話した。[....]