瀬戸内イカナゴ、減少は貧栄養が要因

2020年6月12日

 兵庫県はこのほど、瀬戸内海のイカナゴ資源と栄養塩の関係の調査で、海域の貧栄養化がイカナゴ資源の長期的な減少につながっているという結果をまとめた。イカナゴ資源と栄養塩の関係を解明したのは全国初。各地でイカナゴの不漁が続くだけに、資源減少を食い止める対策につながることが期待される。

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 今回の調査は、兵庫県水産課が県水産技術センターや関係環境部局などと協力して実施した。

 2015年から19年にかけての調査に加え1979年からの調査データとイカナゴ標本をもとに資源と栄養塩の関係を解析した結果、フルセと呼ばれる親魚をはじめ、新仔と呼ばれる幼稚魚ともに近年は痩せており、いずれも餌の動物プランクトンを十分に食べていないことを解明。海域の貧栄養化による動物プランクトンの減少を理由に、「イカナゴの肥満度が低下し、産卵数が減少、資源の長期的な減少の要因になっている」と結論付けた。[....]