2023年5月17日
大手水産会社の2023年3月期連結決算が出揃った。マルハニチロが統合後初の売上高1兆円超えをみせたほか、各社売上高、利益の過去最高値を更新するなど、特に海外事業の牽(けん)引などにより大きく業績を伸ばした格好だ。しかし世界を取り巻く環境は新型コロナウイルス禍が落ち着いた今も主副原料やエネルギーコストなどさまざまな価格上昇にあえいでおり、先行き不透明な状態は続いている。各社の決算概要をまとめた。
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◆好業績の海外が貢献-マルハニチロ
魚価の回復や相場上昇、加工食品の価格改定を受け、売上高は年間計画を大幅に上回り、統合以来初の1兆円超えを達成。また営業利益、経常利益、当期純利益いずれも最高値を更新した。
水産資源セグメントのうち第3・四半期まで好調だった水産商事ユニットは、第4・四半期で一部魚種の相場が下落したほか、水産物全体の相場先高感が解消されたことで販売が鈍化したが、第3・四半期までの好業績で増益。また海外ユニットで北米向け販売好調なタイ国のペットフード事業や生産効率の向上および新規権益獲得の米国におけるスケソウ事業の好業績が全体を引っ張った。[....]