海保庁22年海上犯罪、密漁の取り締まりが増加

2023年1月25日

室蘭海上保安部が押収したナマコ(海保庁提供)

 海上保安庁は18日、2022年の海上犯罪取り締まり状況(速報値)を公表した。18年から減少が続いていた送致件数は7323件(前年比875件増、送致人数4779人)で、5年ぶりに増加へ転じた。密漁など漁業関係法令違反が2563件(449件増)で、取り締まり数の増加を助長させている。

 海上犯罪の35%を占める漁業関連法令違反で、件数が最も多い国内密漁事犯は2548件(450件増)に増加した。資金獲得を目的とした暴力団による組織的かつ大規模な犯行のほか、海水浴客らによる個人消費目的など多岐にわたる。

 北海道・室蘭海上保安部は3月、近隣警察署との共同捜査で?黒いダイヤ?と呼ばれるナマコ約351キロを不法に採捕した密漁者10人を現行犯逮捕した。さらにそのナマコを取引した水産加工会社の代表者も合わせ、総勢13人の密漁グループ検挙となった。

 4月は岡山・玉野海上保安部が県との合同取り締まりで、?白いダイヤ?の異名をもつシラスウナギ(ウナギの稚魚)の密漁者を逮捕している。採捕されたシラスウナギは124尾だった。[....]