来年は「辰年」タツノオトシゴ養殖15年

2023年11月14日

鹿児島にも分布するカラフルな体色のクロウミウマ

 来年は辰(たつ)年。えとの中で唯一存在しない架空の生物だが、その代わりに姿形が似ているタツノオトシゴが描かれやすい。鹿児島・南九州市では、常に数種類を観賞できる施設がある。同所の運営とタツノオトシゴの養殖・販売に携わる、シーホースウェイズ(株)の加藤紳社長に話を聞いた。

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 タツノオトシゴは、ヨウジウオ科タツノオトシゴ属の魚類だ。長い吻(ふん)と立ち泳ぎの容姿が独特なうえ、オスが腹部にある育児嚢(のう)で、メスの産んだ卵を稚魚になるまで保護する繁殖形態にも特徴がある。

 加藤社長は海洋調査会社を退職後、ニュージーランド(NZ)の海洋保護区でポットベリーシーホースという種のタツノオトシゴに出合った。人が近づいても逃げない。大型種とはいえ「これほど脆(ぜい)弱な生き物が存在するのか」と魅せられた。[....]