日本近海水温、最も熱く 黒潮の異常北偏も影響

2024年4月3日

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日本近海(9月)の平均海面水温の平年差

 気象庁がこのほど公表した「気候変動監視レポート2023」によると、昨年の日本近海の年平均海面水温は平年(1991~2020年の平均)よりも1・1度C高かった。統計を開始した1908年以降、昨年の水温平年差が最も高い値となった。また8~12月の海面水温は、5か月連続で過去最高値を更新した。記録的に高かった東北・北海道の太平洋側は、黒潮の異常北偏も影響したと考えられる。

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 2023年の日本近海の海面水温は、年間を通じて平年より高く経過した。特に平年差がプラス1・6度Cと最も大きくなった9月は、北海道南東方海域と本州東方海域で平年差プラス4度C、日本海でもプラス3度Cの海域がみられた。気象庁は海面水温の監視のため、日本近海を10海域に分けているが、9月は6海域で最高記録を更新している。

 昨年の海面水温が記録的に高かった要因の一つに、レポートでは日本付近が暖かい空気に覆われやすかったことを挙げた。加えて三陸沖は黒潮続流の北偏に伴い、海洋の内部まで極めて水温の高い状態が続いている。[....]