揺らぐ市場の鮮魚流通、物流24年問題で変容

2024年4月17日

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岐路に立つ鮮魚流通。写真は豊洲市場水産卸売場棟1階鮮魚卸売場(昨年12月撮影)

 卸売市場の強みである鮮魚流通が、物流「2024年問題」でトラックドライバー規制の強化が適用された1日以降、揺らいでいる。大手運送会社では長距離輸送をフェリーや中継輸送を使って昨秋から順次切り替えてきたと伝えられ、運賃値上げはあれど期限前に業界側が対応を終えたかにみえたが、遅れて中小が年度替わりを機に運行を変えたことで状況が変化。東京・豊洲市場など関東圏では、九州方面からの水揚げ翌日着荷が困難となったほか、北日本を含む各方面から産地を出発する締め切り時間が厳しくなった、便数が減ったなどへの対応に苦慮している。

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 鮮魚・活魚流通は、鮮度維持が何より重要になる。大都市圏の消費地市場から全国に張りめぐらされていたトラック物流網は、高速道路などのインフラ整備の進展と運送業者の営業努力もあり、一日当たりの運行距離を伸ばし続けてきた。小売・外食はその恩恵を享受し、高鮮度の生鮮水産物を遠隔産地で消費するのと大差ない鮮度で楽しむことができていた。[....]