宮城沿岸水が異常高温、平均14.1度Cで過去最高

2024年2月20日

 宮城県沿岸の海水温が異常に高い。今月上旬の表面温度は平均14・1度C。平年並みだった一昨年の7・9度Cはもちろん、記録的に高かった昨年の9・8度Cを大幅に上回った。県の調査研究員によれば恐らくは過去最高で、常識を覆す値に「考えられない」と驚きを隠せない。過度な上昇が漁業・養殖業の生産に打撃を与えることは昨年の夏場に多発した被害からも明らかだが、原因とされる黒潮系暖水の波及に変化の兆しはなく、多方面への影響が懸念される。

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 宮城沿岸には暖かい黒潮と冷たい親潮の両方が流入する。それぞれの勢力は季節で異なり、夏場は黒潮、冬場は親潮が強勢となるのが一般的だった。しかし2022年12月を境に黒潮の強勢(北偏)が常態化。全域を覆う状態が続き、翌年の表面水温はどの月も前年比2度C以上のプラスで推移した。[....]