北大水産学部附属練習船、うしお丸Ⅲ世が竣工

2022年11月16日

竣工したうしお丸?世

 水産業界にも多数の人材を輩出している北海道大学水産学部の附属練習船・うしお丸?世(262トン、船籍港=函館)が竣工し、今月6日から実習を開始した。被代船より大型化し、安定性、静粛性が増すとともに船体動揺も大きく軽減。調査環境や居住性が向上し、省エネ性にも優れた新鋭船で、学生の調査技術の習得に資する「洋上の研究室」として一層の活躍が期待される。うしお丸?世の概要や4日に函館で行われた竣工披露式の模様を特集で紹介する。

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 北大水産学部の現行の練習船は大型のおしょろ丸(?世=1598トン)とうしお丸の2隻体制。うしお丸は1971年に初代が、92年に?世が竣工。?世は2002年に船体延長工事および船内設備・調査観測機器の拡充がされ、以後、研究調査船として活躍してきたが、船体や設備・機器の老朽化に伴い、代船建造の運びとなった。

 新たに計画されたうしお丸?世は数々の建造実績をもつ新潟造船(株)(新潟市)で21年12月に起工、今年3月に進水し、艤(ぎ)装工事を経て10月末に竣工を迎えた。建造費は約30億円で文部科学省の国立大学法人船舶建造費補助金を活用した。[....]