共同購入でアニサキス対策、ブラックライト無償支給

2023年7月20日

東京魚商の事務所に置かれた高性能ブラックライトの見本品

 東京・豊洲市場で仕入れをする鮮魚小売商でつくる東京魚商業協同組合(渡邊一夫理事長)はこのほど、アニサキスを探せる高性能ブラックライトを共同購入し、全組合員に無償支給することを正式に決定した。魚種問わず散見されるようになったアニサキスのリスクを軽減して安全・安心を担保するとともに、食中毒発生による営業停止を未然に防ぐ。

 アニサキスによる食中毒は、近年の海洋環境の温暖化や生態系の乱れが進む中で報告事例が増えている。かつてはサバ類やイカ類、アンコウなどの一部の魚種の取り扱いに注意していれば回避できた。

 しかし、近年は一般的にアニサキスリスクが低いとされてきた魚種からもしばしば発見されるようになり、「ここ数年で食中毒に占めるアニサキスの割合が4割から6割に拡大」(東京魚商事務局)し、組合員の間に不安が広がっていた。

 今回、組合の理事が個人購入して使っていた高性能ブラックライトを全組合員に支給してはどうかとの提案があり、共同購入を検討していた。対象機種はHapyson社の津本式シリーズ「アニサキスライト」。明るいところでもアニサキスが探せて、完全防水で洗いながら使え、アニサキスが見やすい光の波長に調整されたライトとなっている。

 東京魚商事務局の担当者は、「14日開催の常任会で了承を得た。購入内容の細部を詰める手続きを進めたい。全国の魚商に同様の流れが広がれば」などと話している。[....]