全底連、底びきICT化を加速

2023年3月29日

「漁業者ファースト」の視点で漁業データの利用価値は上がる(写真はイメージ)

 全国底曳網漁業連合会(全底連、富岡啓二会長)はこのほど、底びき網漁業で情報通信技術(ICT)を現場に活用している先進事例を取りまとめた。導入の動機として欠かせない「仕事が楽になる」のメリットを、現場で働く人たちやサポートする研究機関に具体的に示すことで、底びき網漁業へのICT導入の横展開や加速につなげる。

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 より持続可能で収益性の高い沖底漁業へ転換するため、全底連はICTの活用に注視する。すでに3地域の沖底漁業で研究機関と協働した事例が動き始めている。実装化を加速化させて横展開も図るために、関連漁業者と研究者が一堂に会した意見交換をこれまでに3度開催してきた。

 そこでみえてきたことは、ICTシステムの導入がユーザーである漁業者にメリットを与えることの重要性だ。具体的には「仕事が楽になる」であり、そのうえで収益の向上につながること。研究が前提ではなく現場へのメリットを優先し、集計したデータも実操業に活用することを強調した。[....]