中学生がアオリイカ産卵床を製作、パンダの残した竹を有効活用 

2023年6月21日

製作した産卵床を海へ投げ入れる中学生(アドベンチャーワールド提供)

 和歌山・白浜町のアドベンチャーワールド(運営会社・(株)アワーズ、和歌山・白浜町、山本雅史社長)は14日、ジャイアントパンダが食べ残した竹の枝葉を有効活用し、地元中学生によるアオリイカ産卵床の製作と海底への設置を行った。

 同社の「パンダバンブープロジェクト」の一環で、大阪・岸和田市の里山で伐採した竹をジャイアントパンダの食事に充てることで里山の荒廃を防ぎ、パンダが食べない竹の幹部分や食べ残した竹、ふんを有効資源とするアップサイクルを推進。持続可能な開発目標(SDGs)の12「つくる責任つかう責任」などの実現を掲げている。

 今回は竹を使った産卵床を生物の減少傾向が確認されている海に設置することで、陸と海の環境課題解決に貢献する。

 2回目となった今回の産卵床設置活動は、JF和歌山南漁協協力のもと、白浜町と共同で白浜の自然豊かな海の継承を目的に実施。初めて地元の白浜中学校の1年生が参加した。産卵床の製作と運搬作業を通して、中学生らが地元の海で起きている変化や環境保全と回復に向けた活動について学ぶ場とした。

 中学生らはアドベンチャーワールドで活動目的のレクチャーを受講。パンダの食べ残したモウソウチクの枝葉20本とコンクリートブロックを使って産卵床を製作したあと、船で設置ポイントに向かい海へ産卵床を投げ入れた。同日は30基を設置。全部で60基設置予定で、設置場所は白良浜沖、円月島付近、伊古木漁港区域内の3か所。定期的にモニタリングを実施し、産卵などの変化があればその都度中学校にも情報を伝える。

 うまくいけば6月下旬~7月中旬にはアオリイカの産卵がみられる予定。初回の昨年は5月中旬に設置し7月時点で海底の竹にびっしり産み付けられたアオリイカの卵を確認しているという。[....]