三陸イサダ漁期待高まる、不漁で在庫払底し高値も予想

2018年2月8日

 近く解禁を迎える三陸イサダ(オキアミ)漁への期待が高まっている。2年続きの大不漁で製品在庫が極度に逼(ひっ)迫。加工業者は「問い合わせが殺到している」と買い気をみなぎらせてスタートを待っており、浜高必至の情勢に生産者も「早く獲りたい」と意欲満々だ。

 イサダは佃煮、干品などの各種加工品のほか、タイなどの養殖飼料向け、遊漁船などの釣り餌向けなどに利用される。生産者は自主的な漁獲枠を設定し安定供給に努めてきたが、過去2年は高水温や潮流などの影響で散発的な水揚げにとどまり、枠の半分にも届かない「記録的大不漁」が続いた。

 加工業者は「せっかく注文があるのに全く応えられない」と歯ぎしりし、一日も早い解禁と豊漁を待ち望んできた。
仙台湾を宮城県水産技術総合センターが調査したところ、早くも入網し、「こんな早い時期から獲れた記憶がない」と驚かせた。1月から発生している強力な寒波と分析。「仙台湾内の表面水温は5?8度C。例年の10度C以上より極めて低く、すでにイサダが好む適水温になっている。海況的には期待できる」(同センター)と豊漁への期待が高まっている。[....]