ロシア水産貿易、一時中断へ 

2022年3月2日

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、主に極東で生産される水産物の先行きに暗い影を投げ掛けている。特にロシアに対する追加経済措置として、日本も米欧に足並みを揃えて一部銀行を世界の銀行決済取引網・国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除すると決めたことで、ロシア貿易は当面、基本的に中断する可能性が濃厚になったとみられる。

 関係者によると、とりわけ企業のコンプライアンス(法令順守)に厳しい大手水産会社・商社ほど事実上、ロシア側への送金は不可能となり、取引の決済は中断せざるを得ない事態になっている。

 ロシアの生産者から毎年、サケ卵やスケコなどを大量に仕入れてきた大手商社では、これまで直接送金できた対ロシア事業は2月28日時点で事前相談となり、事実上取引が中断。「先行きが全く見通せなくなった」(担当者)という。[....]