モンベル、汚れに強くタフな仕様へ

2023年8月10日

すっきりとしたシルエットで巻き込み事故のリスクも軽減

 アウトドア用品大手の(株)モンベルは漁業用ウエアの新モデル「フィッシャーマンタフ」を開発、8日から販売を開始した。登山用かっぱの開発で培った〝蒸れない〟技術に、防水性と汚れの落としやすさを強化した。インナーを重ね着しやすい設計で、よりハードな現場での利用を想定している。

 漁業用ウエアは2019年の発表に次ぐ2作目となる。蒸れを放出する同社独自の防水透湿性素材の表裏を、前作より太い糸で織った生地で挟み、新たに防護膜で表面をコーティングする4層構造とした。表生地の凹凸をなくしたことで、魚から出た血液や粘液、油などの汚れが落としやすく、耐水性も増している。

 ビブ(かっぱの下)は尻回りや胴回りを広くとった。かがむ作業でも窮屈感がないうえ、夏は空気が抜けやすく、冬はインナーを重ね着しやすい。ウエストはドローコードで長さ調節が可能だ。胸の内側には、スマートフォンが入る程度のポケットも備えている。

 ジャケットは手首の内側に、カフ(袖カバー)を採用した。水仕事をした直後に腕を上げた時、袖口から水が浸入しない工夫だ。厚さ0・3ミリの薄い素材のため、締め付けられる感覚はない。

 青、赤、黄の3色で、価格は税込みでジャケットが2万2000円、ビブが1万8700円。オンラインショップと一部店舗で取り扱っている。

 モンベルは1日現在で、131の地方自治体や公的機関などと包括連携協定を締結している。農林水産業を基幹産業とする地方都市が多く、一次産業の活性化で課題を共有している。このため漁業や農業、林業従事者の声を参考に、同社の技術を生かしたフィールドウエアなどを開発している。[....]