ピアノ難曲に挑んだノリ養殖業者を映画のモデルに 

2024年2月1日

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ピアノの練習に励む徳永さん

 超難曲とされるフランツ・リストの「ラ・カンパネラ」のピアノ演奏に挑んだ佐賀県のノリ養殖業者、徳永義昭さんをモデルにした映画「ら・かんぱねら」(鈴木一美監督)の撮影が始まっている。

 「ラ・カンパネラ」はプロのピアニストでも演奏を引き受けたがらないといわれる難曲。2012年、徳永さんは偶然、テレビでフジコ・ヘミングさんが演奏するこの曲を聞いて感銘を受けた。当時すでに52歳。楽器をたしなんだこともなく譜面も読めないが、ただただ「この曲を弾けるようになりたい」一心で練習に打ち込みついに演奏できるようになった。

 ノリ養殖は、寒さが深まると作業が本格化する。夜が明ける前から暗い海に船をこぎ出し、摘採作業が終われば陸上で乾燥などに取り組むため寝る間もない忙しさだ。徳永さんはノリ養殖の作業の合間にも練習を積み重ね、「いつかフジコ・ヘミングさんに聞いてもらいたい」と願い、ついには夢をかなえた。[....]