「漁船の自由度を上げる」海洋変化対応で提言

2023年6月9日

会見する山里企画課長㊧と宮原座長

 水産庁の有識者検討会は7日午後、海洋環境の変化に対応した漁業のあり方に関する提言を公表した。座長を務めた宮原正典よろず水産相談室代表は提言について、「今、操業している漁船の自由度をどう上げられるか、速効性のある課題に重点を置いた」とし、漁業の複合化や、生産や加工・流通に内在するミスマッチの解消を盛り込んだことを説明。環境の変化が急激で漁業者の不安が高まっていることを踏まえ、「出して終わりにはしない」とも言い、半年後の11月には対策の進捗(ちょく)や提言の見直しをフォローアップしていくことも明らかにした。

       ◇       ◇       ◇

 検討会は水産庁長官の私的懇談会として開催され、水産業界関係者ら有識者をメンバーにして3月から5回の議論を重ね、提言をまとめた。

 宮原座長とともに会見した水産庁の山里直志企画課長は、「2年前の不漁対策検討会の議論を踏まえ、深掘りしてもらった」と語り、今回の提言に対し、「複合的な漁業ができる環境整備、制度運用の見直しを予算措置を含め庁内でしっかり検討していきたい」と述べた。[....]