<秋サケ定置網漁解禁>製品消流順調、今年も在庫薄でスタート

2022年9月1日

北海道の秋サケ定置網漁は3年連続5万?割れの大不漁が続いたが、今年は緩やかな回復が期待されている

 北海道の秋サケ定置網漁がスタートした。昨シーズンは3年連続の低水準の水揚げにより、秋サケ製品の供給量も大幅に減少。チリギンをはじめ競合する輸入サケ・マスや、ロシア産マスの冷凍卵が高値を形成していることもあり、親製品、イクラ製品の消流は比較的順調に推移している。ただ、売場の縮小に加え、秋サケを扱う加工業者の減少、背面処理能力の低下などにより、水揚げ状況によっては懸念材料も抱えている。今シーズンの秋サケ商戦に向けて、道漁連の鳥毛康成販売第二部長(写真)に聞いた。

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 ??新漁前の親製品の消流状況は。

 鳥毛部長 昨年の北海道の水揚げは4万7800トンと3年連続5万トンを下回り、本州も皆無に等しい状況だった。供給量が少ないうえ、チリギンの一番手がキロ1000円を超えるなど、競合する輸入サケ・マスも高値で推移していることから、原料は例年以上に高値の位置にあったが、比較的順調に消化が進んでいる。

 年間商材の定塩フィレーは量販店のスポット商材として熟成フィレーの販売回数を増やすなどして、それなりに消化が進んだ。一方、冷凍フィレーは原料を抱えるリスクがあり、加工する業者が少なくなっているから、逆に相場をジリジリ上げながらも、競合する輸入サケ・マスより安いというイメージで、産業給食や量販店で振り塩にしたり、熟成フィレーにしたりしながら、それなりに消化が進み、在庫の少ない状態で新物を迎えられる。[....]