<新春座談会>今、海業が熱い!!

2023年1月10日

海業への思いがあふれた参加メンバー

 日本の浜の元気を取り戻す「海業(うみぎょう)」が盛り上がりをみせている。新たな水産基本計画にも明記され、自民党では水産政策推進議員協議会のもとに海業振興専門部会が立ち上がるなど政策としても動き出した。浜や漁村がもつ潜在力を引き出す海業の課題について、同専門部会の小泉進次郎部会長と武部新部会長代理、そして、漁協系統として浜を支えるJF全漁連の坂本雅信会長と漁港の新たな活用策を提案する全国漁港漁場協会の橋本牧会長の4人が、「海業元年」の始まりに熱く語り合った。

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 ??自民党水産政策推進議員協議会の下部に海業振興専門部会が立ち上がり、小泉部会長、武部部会長代理をはじめ、多くの若手議員も参画しています。「海業」の意義と今後の展開に向けた課題、必要な施策などをお聞きします。

 小泉部会長 海業が急激に盛り上がっている。?海業?発祥の地である神奈川・三浦市を選挙区としている私としては非常にうれしく、武部部会長代理をはじめ、地元に港町を抱えている多くの議員からも、「一緒にやりましょう」と前向きに言ってもらっている。鈴木俊一先生(財務大臣)、浜田靖一先生(防衛大臣)、石破茂先生(自民党水産総合調査会長)ら水産に詳しい先生にも応援いただいている。

 先生方だけでなく、まだ、「海業って何だ?」と言われてもおかしくない状況の中で、坂本会長や橋本会長をはじめ、水産業界団体にも前向きにとらえてもらっているのはありがたい。

 そもそも海業は、三浦市の昭和60年代の市長(故久野隆作氏)が訴え続けてきた考え方だ。「海の生業」からきた言葉として、水産業だけでなく商業、観光などあらゆる分野を結び付け、広げていくことで浜の元気を取り戻そうと始まった。三浦市では水産庁の存在も大きい。水産庁から市に職員が出向し、海業とは何なのかを肌で感じつつ、現場の潮風に吹かれながら働いている。現場が分かり、その思いも分かる。一度働いた町は第2の地元という思いになり、その後のキャリアでも生かされ、そういう方が一緒になって、今後の法改正の可能性も含めて政策的にも後押ししている。海業のモデル地域の公募も行い、笹川平和財団でも海業をテーマにしたシンポジウムを開いた。あらゆる方々の総力の結集が今につながっている。[....]