<人>髙山剛・惣菜店みならい屋代表/研究者が漁師“見習い”へ

2021年7月9日

髙山さん

 かつて水産研究・教育機構水産工学研究所(水工研、現・水産技術研究所神栖庁舎)でLEDイカ釣り漁灯などの研究をしていた海洋科学の博士が、魚惣菜店の店主に転職した。定年後のセカンドライフではない。漁師を目指し2019年に46歳で退職。加工と販売も入れた6次産業化を実現しようと、20年10月に先行して惣菜店をオープンさせた。

 水研機構の研究者としての経歴は、東京水産大学(現・東京海洋大学)を卒業した1998年に、開発調査センターで始まった。沖合底びき網漁船(2そうびき)の小型化で採算性を検証するプロジェクトなどに参加。燃油高騰が最重要課題となった2008年に水工研へ移り、LED漁灯の実用化に取り組んだ。

 魚の行動特性を解明しながら、獲る側の都合も最大限に反映する。こうした難題に取り組む課程で身近になった漁業に、研究者としてでなく漁業者としての参画に意志が傾いた。エネルギー・生物機能利用技術グループのグループ長が、水研機構在籍時の最後の肩書になった。[....]