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  • 天然石けん「わかしお」推進は漁協が後押しを

この企業に注目 新着

  • 天然石けん「わかしお」推進は漁協が後押しを(8月3日)
  • 福島県の海産魚 出荷制限魚種が震災後初の“ゼロ”(3月10日)
  • 基準値超えゼロ46か月 モニタリングの現在 (3月11日)
  • 福島の放射性物質モニタリングの最前線に迫る(3月10日)
  • 実演講習会で利用は伸びる―天然せっけん「わかしお」(8月7日)

2021年8月3日

天然石けん「わかしお」推進は漁協が後押しを

市販の合成洗剤が家庭排水で海に流れ海産魚に悪影響を与えている状況を危惧し、漁師らの生活の糧である海を守ろうとの思いが高じて1973年に誕生した、人にも環境にもやさしいJF全漁連ブランドの天然石けん「わかしお」。


漁協女性部による使用推進運動が展開され、海や海産魚を守り、その恵みを享受する人々も守る取り組みとしてきょうまで続いている。全国の「わかしお」販売実績1位の使用推進先進地、JF重茂漁協(岩手県宮古市)を7月中旬に訪問した。

【岩手県宮古市JF重茂ルポ】販売実績1位の推進先進地

盛合部長は漁協女性部長を2003年から務める

霧に煙る重茂漁港。港湾内の海水の透明度は高い

霧に煙る重茂漁港。港湾内の海水の透明度は高い

市場で高評価を受けているワカメ、アワビ、ウニなどを産出する重茂漁協と重茂漁協女性部は、合成洗剤を絶対に使わない決議をそれぞれが行ってからの約40年、地元地区で「わかしお」普及を強力に推進してきた。

今、漁家が世帯全体の9割という重茂地区に住む漁協女性部員の間には「わかしお」を使う文化が定着している。重茂半島を貫く県道41号線の新道と旧道にある4看板で、地区挙げて合成洗剤の追放に取り組んでいることを内外にPRする。

岩手県漁協女性部連絡協議会会長を務める重茂漁協女性部の盛合敏子部長は「漁協の後押しがあってこそ」と、「わかしお」販売実績が全国1位を続けられている背景を話す。

重茂が合成洗剤追放地域であることをPRする立て看板。新道開通を機に数を2倍にした

漁協資材課販売スペースの中央部には「石けんコーナー」が幅広く展開され、「わかしお」のラインアップがほぼすべて揃い、買い物に不自由しない。毎年、総会終了後、各世帯に「わかしお」関連商品が配られる。漁協側の理解が深くなければ実現し得ない取り組みだ。

漁協側が女性部の使用推進運動を後押しするのは、合成洗剤の汚染と無縁のきれいな重茂の前浜から獲れる安全・安心な水産物であることをうたうことで、評価を高めてきた一面があるからだ。

また、漁協女性部も独自の報奨制度を運用し、「わかしお」利用の動機付けをしている。「購入した際の伝票を提出してもらって集計し、金額の上位の部員に女性部の予算から鉢植えの花などの記念品をプレゼントする取り組みを約10年続けている」(盛合部長)。

購入しやすい小物から

漁協資材課の「石けんコーナー」。販売スペースの中央にある

そんな「わかしお」先進地でも、子供の頃から合成洗剤を使い慣れ、合成洗剤を絶対に使わない決議を行った当時の経緯を知らない、結婚などを機に移住をしてくる人々が増えるにつれて、販売実績は落ちてきている。

世代間で「ここ重茂地区では合成洗剤を使用せず『わかしお』を使うのよ」と語り継ぐ下地は今もあるが、主に価格面がネックで若い世代に定着しづらい。交通アクセスも県道41号線の新道の開通で飛躍的に向上。車で10~15分で買い物に便利な市街へ出られるようになった。

盛合部長は、こうした逆風の中で、若い世代には「肌に触れるものに使う身近な小物から使ってもらう」取り組みを続ける。例えば「わかしお」シリーズの浴用石けんや各種歯磨き。「購入しやすい商品から入ってもらい『わかしお』全般を活用するための入り口になれば」と狙いを話す。

小さくても販促資材を

「天然石鹸使用推進運動」は、漁協女性部共通の主な活動の一つとして位置付けられている。2年後の2023年の「わかしお」誕生50年に向けて、機運をいま一度盛り上げるには何が必要なのか。

盛合部長は「JF全漁連や県漁連・県漁協の皆さまの応援が必須だと思う。『わかしお』をもっと、積極的に宣伝してほしい」と訴える。全国を見渡しても「わかしお」の販売実績で好成績を挙げている地区では、例外なく漁協からの後押しがある。女性部活動だからと無関心を決め込むのではなく、漁協活動と積極的に連動させて「『わかしお』販促用資材を小さくてもよいから作ってほしい」と提案する。

インタビュー

JF全国女性連・荒木直子会長「変わる海に募る不安」

JF全国女性連 荒木直子会長

今年6月のJF全国女性連総会で、荒木直子長崎県漁協女性部連合会会長(64)が新会長に選出された。漁協女性部に期待されるさまざまな活動のうち、特に魚食普及での活躍で地元漁業関係者から一目置かれる荒木新会長だが、豊かな恵みを与える海を守ることにつながる「天然石鹸使用推進運動」ではどのように考えるのか。7月上旬にインタビューした。

◆地元・長崎県で行っている海を守る活動について教えてください。

荒木会長/海岸清掃やパトロールなどが中心です。また、海を汚さないための取り組みとして、「天然石鹸使用推進運動」を展開しております。

◆具体的にはどのような動きになりますか。

荒木会長/今も盛んなのは廃油石けん作りです。総会後の研修会の際に各地で部員が手作りしたものを持ち寄り、使いやすさや香りなどを比べ合う取り組みをしてきた関係で、今日まで長く続いてきたところです。

一方で、JF全漁連ブランド「わかしお」では同じく研修会の際、粉石けんをぬるま湯で溶いて油で汚れた換気扇を漬け置きし洗浄力を実感してもらい、利用を促す試みをしています。直近では4年前に行いました。

ただ「わかしお」を旗印にした「合成洗剤追放運動」が盛んだった1970~80年代を知る先輩方がご高齢となり女性部活動の一線から退くにつれ、取扱実績が減って今日まできています。

◆世代をまたいで活動を継承していくことへの難しさを感じますね。

荒木会長/かつて赤潮が頻発した時期は、それにより魚が実際に斃(へい)死し、長崎でも「合成洗剤追放運動」が盛り上がったと聞いています。

今は規制が厳しくなり、工業用水が海に垂れ流しになっていることはないですが、近年は獲れる魚種や時期の変化、漁獲減などを聞くにつれ、別の意味で海の状態が変わっていると感じます。魚が安定して獲れないと私たちは生きていけないのですから不安に思います。

◆海に負担をかけないようにしないといけないのは今も同じですね。

荒木会長/都市部と違い、漁港がある地域はまだまだ下水道が整ったところばかりではありません。海岸近くで油汚れのある作業用のかっぱを洗う際、手作り廃油石けんを使うなどしています。
廃油石けんも「わかしお」も、海の環境を守るという意味で同じ方向をみているものではあるのですが、長崎での「わかしお」使用はやや下火になってしまっているので、改めて「わかしお」を使用するよう周知していく必要があるでしょうね。

◆全国の会長としてはどう呼び掛けますか。

荒木会長/リモートで開かれた先日の理事会で、「わかしお」を日常的に使われている若い男女の方から改めて説明を受けたところです。話を聞いて若年層から普及を広げる大切さを感じました。

新型コロナウイルスで活動制限される中でなかなか具体的な動きにつなげるめどは立っていませんが、「わかしお」使用を再び活性化する方向に話をもっていかねばならないとは考えています。

身の回りの衛生用品すべてをいきなり「わかしお」に入れ替えるような無理な呼び掛けではなくて、月ごとにテーマを決めて販売強化する方向がよいのかもしれません。

◆新型コロナで衛生観念が急激に高まりました。人にも環境にもやさしい「わかしお」を取り入れ、健康な毎日を送る一助にしていただければと思います。本日はありがとうございました。

生活シーン全てに対応「わかしおラインアップ」

人気の洗濯用液体石けん(右)と台所用液体石けん

手洗い習慣など、さまざまな場面に使える浴用石けん

天然油脂から作られている天然石けん「わかしお」シリーズは、海水中で分解されやすく環境への影響が少ない。海の近くで作業をすることが多く、海のそばに住む水産関係者が使っても大事な海を汚さない。新型コロナウイルス登場後、大切な家族を守るためにも手洗い習慣が大事になっているが、利用を繰り返しても肌アレルギーを起こすことがほとんどないことも評価を高めている。

洗濯用、台所用、歯磨き・手洗い用、浴用と、生活シーンに沿って必要なアイテムはすべて揃っている。現在の一番人気商品はわかしお洗濯用液体石けん。以下、わかしお台所用液体石けんと続く。

ここ最近の注目は、何といっても手洗い用品だろう。専用であるハンドソープはもちろん、わかしお浴用石けんもその一つ。浴室内の使用に限らず幅広い用途に使える。「わかしお」シリーズには含まれないが、一緒に購入が可能な、遺伝子組み換えでないサトウキビ由来の天然原料を使用している、住居・資材の消毒に使える「除菌用アルコールスプレー」があることも覚えておきたい。

« 実演講習会で利用は伸びる―天然せっけん「わかしお」(2015年8月7日)

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