<捕鯨新動向>日本の情報発信を、太地在住アラバスター氏

2018年4月16日

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「反捕鯨活動はメディア団体」と語るアラバスター氏

 和歌山太地町で生活する米国・アリゾナ州立大学博士課程の大学院生ジェイ・アラバスター氏(元AP通信記者)は、捕鯨をする側からの情報発信の重要性を説く。アラバスター氏に聞いた。
◇問い/本を執筆していると聞いた。
◆アラバスター氏/日本人向けに、太地という小さな町が反捕鯨活動家によって、世界のシンボルとして悪用されてしまったことを紹介したい。反捕鯨団体は環境テロリストなどと呼ばれることもあるが、私からみるとあれはメディア団体だ。イルカ追い込み漁の様子を隠し撮りした映像をツイッターに情報発信すると、たちどころに1万人以上がそれを見る。これに対して日本はほとんど何もしていない。捕鯨についてさまざまな意見があるのは当然のことだが、片方の側の情報発信だけでなく、バランスの取れた情報発信がなされるべきだと思っている。
 (日本の情報発信の)一つは「種をまく」という感覚での取り組み。1月に太地町漁協は日本に留学している海外からの留学生12人を招き、ツアーを行った。多くの学生がクジラを食べたが、食べない学生もいた。太地を訪れた留学生はおおむね太地に理解を示した。
 もう一つはSNSによる発信。両者の情報がなければ冷静な判断、正しい情報分析はできない。私たちグループの情報発信で世界の人がバランスの取れた判断を下せるようにしたい。[....]