2018年3月23日
漁船の建造や修繕を事業の柱とする気仙沼市浪板地区の造船4社が31日に法人の看板を下ろし、4月1日からは4社などが出資して設立したみらい造船と合併する。新たな組織で機能を集約して、経営基盤の強化と業務の多様化を図る。る新体制への移行を目前に控えた各社代表の声を聞いた。
合併する4社のうち、最も歴史あるのが小鯖造船鉄工所だ。気仙沼市唐桑町小鯖で1910年(明治43年)に創業。吉田義則社長で4代目になる。遠洋マグロはえ縄船の修繕を主に手掛ける。
入社した80年代後半は、気仙沼船籍の遠洋マグロ船が200隻もあり、船の大型化も進んだ。大規模減船もあり、「(顧客の)奪い合いなしに仕事を継続できるのか」との不安を抱えていた。
東日本大震災の発生は事態の深刻さに追い打ちをかけた。
皆の機能を新天地に集約して最新設備を導入し、そこへ各社の技術を集結して品質を上げる?。後のみらい造船につながる構想を聞き「社名がなくなるのは悲しい」と悩んだ。「船主や従業員にとって心配事なく船を上架させ、作業に集中したい」とし、何よりも「今までの技術を生かし、次の世代へも継承できる方策があるならば、それを優先したい」と言葉を続けた。[....]