2018年6月25日
兵庫県宝塚市の「PESCE D’ORO(ペッシェドーロ)」は、魚屋だけど鮮魚を扱わない。冷凍魚介類の販売に特化した店だ。外観や内装はおしゃれなカフェのようで、飯田英二代表は長靴を履かず、防水エプロンもまとわない。イメージする?魚屋?とはまるで違っていた。
魚のショーケースがない。うろこ模様のタイル壁を土台に白い板のカウンターがあり、その上にラミネート加工したメニュー表が乗っている。「干物」は天日に干されていないが、店で販売している。
メニューの中から商品を選ぶと、店舗奥の冷凍庫から、凍った状態で出てくる。冷凍魚だ。
故郷の高知県で新鮮な魚介類に囲まれ、当たり前のように魚を食してきた飯田代表は、鮮魚店を開きたかったという。だが近年は冷凍技術が発達し、産地と変わらない味を楽しめることを知った。食べ比べ「魚は冷凍することで鮮度を味わえる」と実感。現在の店のコンセプトを思いついた。
消費期限が長いため売れ残りによる廃棄ロスは激減。メニューは25品程度多くないが、価格を一定で販売できる。「カジキの生ハム」といった珍しい商品もラインアップに加えることができた。
新発想の業態は今年2月、「第4回全国創業スクール選手権」で大賞の経済産業大臣賞に選ばれた。
店名のペッシェドーロはイタリア語で「黄金の魚」を意味する[....]