<能登半島地震>激震、インフラに壊滅的打撃

2024年1月9日

津波による転覆漁船が多数出た珠洲・飯田漁港

 石川・能登半島で1日午後4時10分ごろ発生したマグニチュード7・6、最大震度7を観測した地震は、能登地方の水産業に壊滅的打撃を与えた。特に深刻なのが強烈な揺れによるインフラ被害。地盤の隆起などにより輪島や珠洲を中心とした漁港の岸壁や臨港道路が損傷して半島内を走る道路は各所で寸断され、4日時点で物資輸送はおろか、長引く停電・断水も重なり生活さえままならない状況にある。津波による漁船被害も4日夕時点で50隻以上に上り、さらに増える可能性がある。

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 気象庁の統計がある1885年以降で、能登地方で最大の規模となった地震は、同地方に住む人々の生活を根底から破壊した。奥能登方面に向かうにつれて倒壊家屋の数が急増。主要道路でさえ段差・陥没を免れたところはなく、4日夕方の時点で珠洲、輪島の各方面に向かう道路で通行可能なのは、相次ぐ片側交互通行や迂(う)回路を交えた1本のみ。しかも緊急車両優先なことや一般車両集中もあり、地震前に金沢から2~3時間で行けた距離に3~5倍の時間がかかっており、水産の陸送に使えるようになるには、「何か月かかるか分からない」(金沢市場卸)との声もある。[....]