<産地ルポ>松岡敏行/「ひがしもの」支える目利き人

2019年11月22日

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睦美夫人との二人三脚で繁盛店を支える

 出会いは宮城県塩釜市の魚市場。生鮮メバチの地域ブランド「ひがしもの」を取材している時だった。荷捌き場には三陸東沖で漁獲されたはえ縄物がずらり。素人目にはどれも同じに映り、定義を満たす「上物」の有無さえ分からない。何を頼りに判別するのか。目利きする買参人に片っ端から聞いてみた。その中で実に印象的な言い回しをしたのが松岡敏行さん(62)だ。「パッと見は美人でも性格(身質)が悪かったり。本当に奥が深い」。独特の感性を優しくも熱っぽく語るその人柄に一発で魅了された。

 松岡さんの解説によると、まずは第一印象。売場で全体を見回した瞬間、丸みを帯びた体つきの美人に「ビビッとくる」という。次は近づいて直接会話。より好みせず「全員とひと通り」が流儀で、それぞれの性格(おろした際の肉質)がイメージできるまで念入りに行う。[....]