1割高キロ1590円、岩手県産ワカメ18年産初入札

2018年3月15日

岩手の初入札会で上場されたワカメの見付けを行う買受人

 全国一のワカメ産地・岩手県で13日、2018年産品の初入札会が行われた。上場量は刈り取り期の悪天候が響いて若干落ち込んだが、品質は全国ブランド「三陸わかめ」の名にふさわしい上物主体。極度の在庫薄を反映し、先行して始まった隣県・宮城と同様、高値での応札が相次ぎ、主力のボイル品(1等芯抜き)の平均落札価格は前年より約1割高いキロ平均1590円を付けた。

 大船渡市のJF岩手漁連南部支所には、県内13の浜で生産されたボイル品84・5トン(前年97・9トン)、干品1・9トン(2・2トン)が上場された。先月末の低気圧による悪天候で刈り取り作業に若干の遅れが生じ、総上場量は13トン減少。ただ、生育そのものは良好に推移しており、今後も順調なら「4月までに目標生産量1万5900トンを達成できそう」と県漁連。

 品質には全国から集まった買受人が「色も香りも申し分ない」と揃って高評価。同じ「三陸わかめ」の名を冠する隣県・宮城が先月頭のスタート以来、相当な高値で推移している状況を踏まえ、入札前から多くが「高値必至」との見立で通り、高値応札が相次ぎ、平均は前年の9・7%高を記録。生産者が喜ぶ一方、買受人は「仕方ないが、末端価格に転嫁できる状況にはなく厳しい」と漏らした。[....]