震災8年に鎮魂と復興へ祈り、石巻など各地で追悼行事

2019年3月13日

遺族ら700人が参列した石巻市の追悼式

 東日本大震災から8年を迎えた11日、全国各地で自治体などが主催する追悼式が行われた。発生時刻の午後2時46分に黙祷(とう)をささげ、2万人の犠牲者の鎮魂と被災地復興を祈った。

 東京・国立劇場では政府主催の追悼式が行われ、安倍晋三首相が式辞で「多くの犠牲のもとに得られた教訓を決して風化させず、あらゆる分野で災害に強い国づくりを進めていく」と述べた。秋篠宮さまが「復興は着実に進んだが、一方でいまだ多くの人が被災地、避難先で不自由な生活を続けている厳しい現実がある。誰一人取り残されず平穏な日常を取り戻せるよう、皆が心を一つにして末永く寄り添っていくことが大切」などと慰霊の言葉を述べられた。

 被災自治体で最も多い3000人を超す犠牲者があった宮城県石巻市。市主催の追悼式が行われた河北総合センターには約700人の水産関係者や遺族らが集まり、亀山紘市長が「震災の経験と教訓、そして感謝の心を伝えていくことが私たちの責務である。市民と心を一つにし、さらに復興に邁(まい)進したい」などと式辞を述べた。遺族を代表し、津波で母親を亡くした?水利枝さんが「遺体安置所で対面した母を本人だと確信できず、丸一日置き去りにしてしまったことは生涯悔やむと思う。時間がかかっても故郷がふくよかに再生するように努力し続けたい」などと思いを語った。[....]