豊洲で東卸、4年ぶり海外バイヤー視察

2023年8月31日

双方に熱が入った仲卸店頭での面談風景。写真は「山治」でのもの

 東京・豊洲市場の水産仲卸で組織する東京魚市場卸協同組合(東卸、早山豊理事長)は26日、日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携して4年ぶりの海外バイヤーを招いた豊洲市場視察を開いた。参加した10か国11人のバイヤーが東卸職員らの案内などで、早朝の市場を回った。水産仲卸店舗店頭で行われた輸出担当営業との面談では、中国の水産物輸入禁止が決まったばかりとあり、代替先を探そうとPRにも熱が入った。

 参加したのは米国、メキシコ、ペルー、ポーランド、中国、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、アラブ首長国連邦(UAE)など多彩な国籍のバイヤー。早朝午前4時30分に現地入りした一行は、まず水産卸売場棟1階のマグロ見学者デッキからマグロ卸売場を視察。午前5時30分からの生鮮マグロのセリでは競うように写真に收めた。鮮魚売場や特種(寿司種)売場などを同じデッキから遠望した。

 地下通路を経由し水産仲卸売場棟に移動してからは2班に分かれて行動し「尾粂商店」「マルツ尾清」「山治」「釣十」などの店頭で、輸出担当者らと名刺を交換。担当者が輸出可能な商品について熱心に説明した。海外バイヤーらは売場を埋める膨大な量の水産物に圧倒されながらも、現状の輸出先や所要時間を確認。ビジネスとして自国へと運ぶための算段をつけるのに忙しかった。[....]