漁場予測の精度向上へ、JAXA「SAMRAI」実証結果を紹介

2022年12月20日

「SAMRAI」の可能性について語る前田主任研究員

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、東京・港区の日比谷国際ビルで最新のマイクロ波計測技術に関するシンポジウムを開催した。JAXAは、研究・開発を進める超広帯域電波デジタル干渉計(SAMRAI)の概要とその活用分野、直近の実証結果などを紹介。沿岸海域や雲域によらず、より高精細な気象・海況情報が得られることから、漁場予測の精度向上などを示唆した。

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 「SAMRAI」は地球から出るさまざまな微弱な電波を天候や人工電波に左右されずに高い解像度で観測できる次世代のマイクロ波計測計。2026年には実証機を人工衛星に搭載して打ち上げ、30年以降に本格運用していくことを計画している。

 想定している利用用途は(1)気象・海象、防災情報の拡充(2)洋上風力発電に関わる風況予測モデル開発(3)電波収集による船舶検知(4)海況情報の高度化による漁場予測の精度向上(5)充実した海面情報による船舶航行支援?など。気象だけでなく、「海の見える化」に貢献することも期待されている。[....]