温泉藻類がヒラメ魚病減

2023年5月9日

出荷サイズに成長した肉厚な「温藻ひらめ」

 ヒラメ養殖に携わる(株)友永工業(大分・佐伯市)が、バイオテクノロジー企業の(株)SARABiO温泉微生物研究所(サラビオ、別府市)と事業連携を始めて2年になる。ヒラメ疾病の代表であるエドワジエラ症に、サラビオが特許をもつ温泉藻類RG92が「効くのでは」と考え導入したところ、斃死率が下がり成長促進効果も表れた。

 「RG92」はサラビオが別府温泉で発見した新種の微生物で、高い抗炎症作用がある。培養にも成功して2015年には特許も取得。天然由来の成分であり、抽出したエキスはスキンケアなどに利用されている。

 友永工業は昨年3月からこのエキスを配合飼料(EP)に添加して与えた。すると斃死尾数は、対照区の3~4割に改善された。狙い通り「RG92」が腸内の炎症を抑えたためか、エドワジエラ症の発生が明らかに減っている。「体表粘液も増えて、スレや寄生虫にも強くなった」という。[....]