岡山で「受注漁」本格運用、完全注文制

2023年6月19日

邦美丸が営む「受注漁」イメージ画像

 岡山・玉野市で漁船漁業とノリ養殖業を兼業で営む邦美丸(個人事業主、富永邦彦代表)は4月から、オンラインストアやインスタグラムを通じて事前注文が入った魚だけを獲る「受注漁」の本格運用を開始した。持続可能な漁業の実現と漁業者の働き方改革、所得向上を目指す取り組みとして広報に努めている。

 「受注漁」は、オンラインストア「ポケットマルシェ」やインスタグラムで注文が入ってから出漁し、必要な魚だけを獲るシステム。余った魚は海にリリースし、水産資源を守ることをうたう。

 2022年に漁船漁業を営む4~9月に試験的に実施したところ、期間中は一日の操業時間が約14時間から約6時間に短縮され、プライベート時間が充実。家族との時間やコミュニケーションの時間が増えた。

 漁獲量が減っても仲卸を通さず消費者と直接取引できたことで、市場出荷がメインだった17年に比べて売り上げが約2倍に拡大したほかに、燃料消費量や漁具の消耗も抑えられた。実体験で大きな変化を感じたことで、今回の本格運用につながった。

 「受注漁」の認知度を高める目的で、6月30日までクラウドファンディング(CF)サイト「CAMPFIRE」で漁師お任せの詰め合わせ「鮮魚BOX」をリターン品としたCFを実施中だ。リターン品の発送開始は24年4月以降の予定としている。 [....]