女川魚市場9日から全面供用、高衛生化復興工事が完了

2017年5月9日

衛生化を高め全面供用開始となる女川魚市場

東日本大震災で全壊被害を受けた女川魚市場の復興工事が完了し、9日から全面供用がスタートする。3年かけて荷捌き場3棟を整備。構造や導入設備にまで工夫を凝らし、産地市場に求められる衛生管理の高度化と作業性の向上を徹底的に追求した。関係者は「さらに新鮮で安全な女川産品を提供する体制が整った」と話しており、復興を目指す“さかなのまち”の大きな支えとなりそうだ。

 完成した新・魚市場は敷地面積約3万2209平方メートル、延べ床面積約2万1562平方メートルの鉄骨一部4階建て。国の支援を受けて平成26年7月から段階的に工事を進め、27年6月に東荷捌き場、昨年8月に中央棟と管理棟、先月末に西棟が完成した。総工費は約83億円。

 水揚げは原則魚種別に別々の場所で行う方式を採用。密閉式の中央棟と西棟ではギンザケや定置網の漁獲物を扱う。風雨や直射日光、鳥害などを完全に遮断し鮮度と安全性を確保する。

 開放式を採用した東荷捌き場では一度に大量に水揚げされるサンマやカツオなどを扱う。一方で全棟に砕氷供給装置を導入。外気に触れていない衛生的な氷がいつでも利用できる体制を整えた。

 今月30日には竣工式を行う予定となっている。[....]