円安進行、膨らむ調達不安

2024年5月8日

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対米ドル為替レートの推移(円)

 今年に入ってから対米ドル為替レートで日米の金利差を背景とした投機筋の継続的円売りで円安基調となり、直近では日銀の為替介入とみられる動きとの攻防で日々の値動きが荒くなる中、水産物の調達見通しが以前にも増して不透明になってきている。市場筋からは輸入生鮮魚の値上がり傾向が示唆されているほか、今後の輸入冷凍魚の調達が思惑通りに進められるかどうかへの不安が業界内で膨らんでいる。

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 年明け直後に日銀が金融緩和政策修正を示唆したことで、今春には対米ドル為替レートが円高方向に動くという希望的観測が業界内にもあった。しかし、3月の政策決定会合で実際に修正が行われた時にはすでに織り込み済みとして、円安方向に逆進。調達環境が改善するとの期待はもろくも崩れた。日銀の為替介入とみられる動きも140円台回復ははなから目指していないようにみえる。[....]