エア・ウォーター、松本市でファーム着工へ

2022年10月3日

「地球の恵みファーム・松本」の完成予想図

 産業ガス供給や食品、医療機器事業などを手掛けるエア・ウォーター(株)(大阪)は9月29日、未利用バイオマス資源からエネルギーを生み、サーモン養殖や農業などに活用する循環型施設「地球の恵みファーム・松本」を長野・松本市に建設すると発表した。1万平方メートルの敷地に、発電プラント2棟と陸上水産養殖施設、農業用ハウスの計4棟を建設する計画で、10月下旬にまず水産養殖施設の建設を開始、来年春にも養殖試験を開始する。残り施設も順次建設を進め、2024年夏までにファーム全体の完成を目指す。

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 同社グループの技術開発拠点でもある松本では、林業由来の木質系廃棄物や間伐材などが多く発生しており、資源化や有効活用が課題として浮上している。ファームではこの未利用資源や、グループの飲料メーカーの松本工場で出る残渣(さ)などの食品廃棄物を原料とし、ガス化発電やメタン発酵発電を行う。発電の際に生じる熱や炭酸ガスを水産養殖や農業に活用、養殖や農業で生じる残渣や未利用部位も発電の原料として回収し、資源循環サイクルを築く。

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