<成長のカギは研究にあり!>水研機構編②山下洋・主任研究員

2021年5月20日

サンゴから取り出した褐虫藻

 私たちの食卓に上がる魚も海を泳いでいた時は生きるために餌を食べていたはずです。その餌もまた、別の生物を食べて生きています。このような生物の食う食われるの関係を食物連鎖あるいは食物網と呼びます。海の食物網では多くの場合、最初の餌になるのは植物プランクトンと呼ばれる光合成を行う小さな藻類です。一般に、その海域に生息する生物の量は、食物網の起点となる植物プランクトンの質と量に大きく影響されます。

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しかし、サンゴ礁の海はその概念から少し外れていて、多種多様な生物が大量に生息しているにもかかわらず、海水の透明度が高いことから分かるように植物プランクトンの量は多くありません。植物プランクトンの代わりにサンゴ礁の莫大な量の生物を支えているのが、サンゴの体内に共生する「褐虫藻」と呼ばれる小さな藻類で[....]