水素と水産/脱炭素社会での立ち位置を探る

2022年1月5日

クリックで画像を大きく表示します

対談する河合氏(㊧)と宮原氏

 海の環境変化が止まらない。漁業においても、当たり前に獲れていた魚が獲れなくなり、北海道で赤潮被害が起きるなど、これまでの常識が通用しない現象が相次いでいる。環境変化の危機感は世界共通の課題と位置付けられ、温暖化をもたらす温室効果ガスの削減など、もはや待ったなしの「持続可能」な社会づくりへの取り組みが本格化している。環境への依存が強い産業、水産業は持続可能な世界の課題にどう向き合い、未来を開くか。水産業を知り尽くす宮原正典氏と、水素社会を見据えた取り組みに奔走する河合大洋氏が水産と水素をテーマに語り合った。

       ◇       ◇       ◇

 ◇宮原さん、河合さんとの出会いのきっかけは。

 ◆宮原/水産研究・教育機構の理事長だった当時、長崎・五島市の市長さんから、「洋上風力発電で発電した電気を使いきれない」という悩みを聞きました。そんな時に知ったのが、水素を燃料に動くトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI」です。「これだ!」と思いましたね。水素を使って自動車が動くなら漁船も動く。今にして思えば飛躍しすぎていますけど(笑)、エネルギーを地産地消できるし、離島のハンディキャップをメリットに変えられる。早速知り合いを通じてトヨタに相談したところ、紹介していただいたのが河合さんでした。 [....]