IWC脱退賛否両論、国内は歓迎「新たな捕鯨構築を」

2018年12月28日

「IWCの科学委員会と総会にも参加していく」と説明する諸貫参事官

 日本政府が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、30年ぶりに商業捕鯨を再開することを表明したことで国内の関係者からはおおむね好意的にとらえられている一方、反捕鯨国の急先鋒(ぽう)である豪州やニュージーランドは「非常に失望」、「捕鯨は時代遅れ」など批判的な反応を示している。
 日本の脱退は25日に閣議決定されていたが、26日に菅義偉内閣官房長官の会見までかん口令が敷かれるなど公表まで慎重な体制が組まれた。菅官房長官の会見のあとに開かれた水産庁と外務省の合同会見で中谷好江外務省経済局漁業室長は「IWCにはオブザーバーとして参加し、国際協調を止めるわけではない。日本はこれまで通り多くの国の理解を求めていく。基本的考えは変わらない」、諸貫秀樹水産庁資源管理部参事官も「IWCの科学委員会と総会にも積極的に参加していく」と説明し、自国の利益のみを優先した決断ではないことを強調した。
 商業捕鯨の再開は日本の沿岸と排他的経済水域(EEZ)内で、母船式捕鯨を行う、沖合域はこれまでの調査で資源量が明らかになっているミンククジラとイワシクジラにニタリクジラが加わり実施主体は共同船舶の予定。沿岸域は小型捕鯨協会が中心で、操業形態を水産庁と連携し時期・場所などを管理しながら実施していく。当面は沿岸とEEZ内で、実施状況を慎重に見極めて判断する。[....]